比抵抗二次元探査をするときは、測線上に多数並べた電極のうち計測に使う電極4つの組み合わせを変えながら測定していくのですが、これがとても面倒くさい…!

というのも、世の中の二次元探査用装置は、予めすべての電極とケーブルを繋いでおけば装置が自動でパチパチ組み合わせを切り替えながら計測してくれるのですが、残念ながら桑野研にそんなものはないので、毎測定ごとに人力でケーブル先のクリップを違う電極に繋ぎ直しながらスイッチを押さねばならないのです。
湯木はクリップ切り替えを極めすぎてもはや忍者です。

2次元探査のイメージ図(http://www.chikatansa.co.jp/tansa-tansa_02.html)

ということで少しでも簡略化するために、電極を繋ぐ多芯ケーブルとスイッチボックスを自作しました。
これによって人類は虚無の電極繋ぎ変えから解放され、電気探査に必要な人員を削減できます。

多芯ケーブル

多芯(多芯とは言ってない)ケーブル。単芯のを端子が1m間隔になるように束ねるだけの力技です。
はんだ付け祭りだったのではんだスキルが上達しました。

1m間隔で16点繋げられるものを2束。

それと、スイッチボックスに繋ぐ端子が剝き出しなのが気になったので、保護カバーを付けました。
ケーブルが絡まないよう4本1束にしてから、箱にスライドして入れる方式にしてみました。
良い感じに設計できてハッピーです。

4本1束にするパーツ。手軽に付け外しできるようにしたいがねじ止めすると現場で面倒なので、ヒンジとスナップフィットでパチッとハマるようにしてみました。ラボの3Dプリンターが最近新しくなって精度が向上したからこそなせる技ですね。
箱に固定具を入れてスライドさせると固定されます。うまくハマるように溝と爪を作ってあげるのが楽しい。
最後に穴を埋めるパーツを嵌めて完成!真夏に溶けないようにPETGで刷ったので弾力があってスナップフィットがやりやすい。
しかし果たしてこれが夏に使われるのか…神のみぞ知る。

スイッチボックス

多芯ケーブルの端子が正面のスピーカー端子に差さって、それと一対一で繋がっている天板のターミナルでバナナプラグを差し替えることで電極を切り替えるシステムにしました。筐体はこちらもPETGで刷って、パーツを取り付けたらはんだ付けして完成。

内側がカオス。はんだ付け祭りpart2でした。筐体を印刷したときに天板と下箱を固定する機構をつけ忘れたので、慌てて後からねじ止め用パーツを追加で刷って下箱に接着しています。
こんな感じでケーブルの端子を並んだスピーカー端子に差して使います。あと写っていませんがスイッチボックスのフタも印刷しました。こちらは本体と磁石でくっつくようにしたかったのですが、正直イマイチな設計に…悔しい。


以上です。
来週の桜谷古墳調査で初使用の予定です。(最初で最後の出番かも)

追記
これで調査が楽になるぞ~!と思いながら作っていたのですが、よく考えると、準備さえ終われば探査中は一人で出来てしまうということは、今までは人に任せていた電極繋ぎ替えをスイッチボックス上で自分でやることになるので、僕個人の負担が増えているような…??あれ??

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